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岡山地方裁判所 昭和46年(わ)785号 判決 1972年9月01日

本籍ならびに住居

岡山県御津郡御津町大字野々口六三六番地

不動産仲介業

河田隅真

明治三五年九月八日生

右の者に対する所得税法違反被告事件につき当裁判所は検察官宮崎礼壱出席の上審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

被告人を懲役四月および罰金七〇〇、〇〇〇円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金二、〇〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

本裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は岡山県御津郡御津町大字野々口六三六番地に居住して農業に従事するとともに岡山市桑田町一四番四号に事務所を設けて不動産仲介業を営んでいるものであるが、所得税を免れようと企て、昭和四三年一月一日から同年一二月三一日までの昭和四三年度中における総所得金額は一三、七八二、七一一円で、これに対する所得税額は五、九四四、二〇〇円であるのにかかわらず、不動産仲介業による手数料収入の大部分を秘匿したうえ、昭和四四年三月一五日、岡山市天神町三番二三号所轄岡山税務署において、同税務署長に対し、自己の総所得金額は三、八五二、〇〇〇円で、これに対する所得税額は九〇六、九〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もつて不正の行為により所得税五、〇三七、三〇〇円を免れたものである。

(証拠の標目)

一、第一回公判調書中の被告人の供述

一、被告人の当公判廷における供述

一、被告人の大蔵事務官に対する質問顛末書一二通

一、被告人の検察官に対する供述調書

一、青木頼夫各作成の告発書・脱税額の計算書・脱税額の計算書説明資料・調査事績報告書

一、藤田正蔵作成の回答書

一、高橋功男・青木英樹・頼定聡の大蔵事務官に対する各質問顛末書

一、頼定聡の検察官に対する供述調書

一、押収にかかる所得税確定申告書(昭和四七年押第二五号の一)

(法令の適用)

所得税法二三八条一項・刑法一八条・二五条一項

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 渡辺宏)

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